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emmuree 目黒鹿鳴館 単独公演 「gypsy」

2007年05月02日

emmuree

2007.4.10
目黒鹿鳴館 単独公演

「gypsy」




この疲労感は何だ。

嗚呼… しんどかった。

辛いことがわかりきってるのに何故見に行くんだ、とバカにされることしきり。
自分でも良く分かりません。
ただ辛い目にあってみたかったの。
おい、辛ぇーな。良くこんなの好き好んで耐えてるな、って自分に言いたかったの。サディスティック。

ヴォーカル想、化け猫ならぬ化け麺という言葉がぐるぐると回った。
長く生き過ぎてしまったがゆえに持つ「霊力」である。
理屈では語れない。月日がモノを言う凄みがある。
凄み。魂を磨耗させるほどの。

魂ぶらーり。
異常に目黒鹿鳴館が似合うバンドである。薄暗く古めかしい地下室のような。
思ったほどには人がいなかった。そうか、emmureeはあんまり人がいないのか。
まぁそれが楽でいいな。空いている鹿鳴館はまぁまぁ快適です。

前半・ドラムソロ・後半・アンコールで区切られる六時半から十時半まで三時間の長期戦。
メンバーも客もお互いに魂の消耗戦である。

前半戦、想さんやたらとスーツっつーかジャケットが似合わねぇ…
「なにそれ、サディスティカル・パンク…」と脳内をよぎった。
一曲目がそれっぽかったからますますなんだか淫らな誘惑のそれを思わせた。
でもそれは違う。気分出ない。
alice auaaでズルズルでビラビラなのが想さんだわ。
私はスーツ・フェチですけどフェチ心をまったくくすぐらない人が時々出現する。

後半戦ではお召し代え…、ヒラヒラシャツに。スーツ脱いだだけ?
背中のalice auaaのタグに燃え上がる。
そしてバンドも俄然神がかってくる。
美しい、想さん美しいわ。
何を食って育ったらあんなに美しい人間になれるんだろうかなどと錯覚する。
あの空気の中では。
ギターの音色も心を狂わすほどに美しいわ。
シャラシャラキラキラのギターが誘うのですよ、鹿鳴館の地下十三階まで。

しかし辛い。
眠い。眠い、だけならまだいいんだけど。
そのうち頭が痛いとか耳が痒いとか、座りたい、今なら座っても罪にならないんじゃなかろうか。
フィジカル・症状目白押し。
良く立ってられるな、と周りの人間に感心した。
知ってる曲ならかろうじて生きていられるんだけど、耳慣れない曲を聴いてると、なんかダメだー。
しまいには意識消失。
emmuree爆音の中で夢を見た。
オレンジ色の長いマイクロバス二台がemmureeファン(みゅれっ子)をぎゅうぎゅうづめに乗せて走っていく夢でしたかね。…脳内がPOPを求めている。

ラブレターのイントロでトリハダがブワーってした。
空気がザーッて冷たくなるの。凄いね。
春想う、色彩よ。美しかった。
白い花と手紙が好き。
楽園はスモーク焚きすぎてもはやココがドコなのかアレが誰なのかわかんない。
三途の川が見えそうで見えない。ここはあの世ですかねなんか迎えに来そうだよぅ。
このメロディもヴィジュアルもひたすらなんだか良く分からん暗黒読経会がかつての「emmuree」のイメージだわな。

アンコールではハルカの常軌を逸脱したホットパンツ+網タイツに絶望したが
そこは気色悪くてこそのハルカである。強い。
あの気持ち悪い脚を観ないとemmureeを見たという気がしない。きっと。
素肌にスーツも気色が悪い。
音色といい、キモさといい
彼はなんだかラルクのkenの最古時代を思い出させる。
そうそうemmureeはラルクっぽいんだ、と今回初めて思いました。サイコソニック・シェイクな感じ。
昔っても恐ろしく昔ね、DUNE以前。kenちゃん加入して一発目!時代のラルクみたい。
あのころの空気のままラルクが続いてたらこうなってたんだろうか、という。

emmuree自体は自らを年寄りと自嘲するが
ヴィジュアル系もあのように老いるのであればむしろ大歓迎な一例だなぁ。
青二才お断り。このいぶし銀をくらえ!
若さでしか出来ない創作もあるが、その逆もあるということ。
年月重ねて技術的に楽器が巧くなるだけっていうのもつまんねぇよな…。
釣られてるのかマジなのか分からないが四十路ならではの匠の技。
しかしやはり年には勝てないらしく、節目節目の楽屋ではメンバー全員廃人と化していた、ステージに魂を置いてきた、などと一番若そうなドラムのユキは言った。
魂が床にゴロンゴロン落ちてるんだわ。
えー私も落っことしがち。聞こえるもん魂のゴロッて落ちる音が。
ユキが未だにサポートな気がしていた。ユキというより元サリー元サリーって言いすぎ。
ユキさんのもっさりキャラが可愛い。

ロザリオのヘドバンはやっぱり笑える…。
なんでemmureeなのにヘドバン…。これ面白ポイントだよ。

喋りだすと砕け散る異世界観。
「鹿鳴館!東京!東京!東京以外!」と謎の煽りをかます想氏が素晴らしく愛しい。
7月21日はアンミュレ・サマー・フェスティバルが開催されるとな。
バンドに声をかけているが、集まらなかったらワンマンでもいいや、と仰る。
そのバンドに対するユルさも愛しい。
アンケートに住所添えて書くと何かいいものをくれると言うので住所を書く。
DMの宛先が職場宛になっており大変心が凍えるので訂正を願い出る。
私はライヴのアンケートを書くのが大変苦手だ。
好きなら好きなだけ苦手だ。
メンバーへと素直な思いを素直な心で綴れる人が羨ましい。
どうでもいいバンドにどうでもいいアンケートを書くことは出来ます。
対バン形式と単独公演の差を問われ
そこに連れは「つ ら さ」 と一言書き込んでいた。
…確かに。


あ… Loki様が通られる…


家に帰って速攻爆睡。力尽きた。
起きてからも丸一日延々と眠くてしんどかった。
つらい…。つらいんだけど。いや分かってたけどやっぱり観るのに体力を消耗するよもうなんなのこのemmuree。
鹿鳴館に落っことしてきた魂の消耗を癒すのは何だ!
このいつまでも後を引く辛さは何なんだ!

サバイバルなemmureeを機会がありましたらどうぞ。


【その後の雑談】

「想さんのあのガリガリっぷりは何だろう。」
「餓えを知らない人間にあの表現は出来ないんだよ!
 小さいころにどんぐり拾って食いつないで生き延びてきたっぽいじゃん!
 その生きるか死ぬかの体験がああいうステージングを生み出すんだよ!
 子供のころは戦後で食料もロクに無くって!」
「それ七十五歳ぐらいですよ。」
「暗黒が好きなんですよーって趣味でゴス始めた庶民とはわけが違うんだよ!育ちが!
 どんぐり食ったことの無い奴に魂の入った歌は歌えないね!」
「しいのみのほうが美味いよ」
「イベリコ麺。」


 
 
【SETLIST】

Gypsy
Gray Note Freak show
silence
バレリーナ
祈り
リバティ
雪月花
story in heaven
絵空事の色彩
春想う、色彩よ。
アンティーク
DrumSolo
ラブロマンス
ジザスカ
頽廃ロォマンス
葬列とxxx
呼吸
strawberry
新曲
白い花
ガーベラ
手紙
ラブレター
en
グロセックス
真実の雨
四月ノ雨ト…散ル…華に
楽園
en2
ロザリオ
an acute

Posted:藤汰ゆき(仮) : 2007年05月02日 03:24


Comment

はじめまして。ミクシの足跡から来ました。。が、なんという偶然か
たまたま今日、2月のSugarイベのレポに、検索でたどり着いていました。。
バッチリ笑わせていただきました!面白いです!!
先日のアンミュレレポ↑も、ホント頷いてしまいました。。

ではお邪魔しましたー

Posted: 腺 : 2007年05月02日 20:26

共感していただける上に笑っていただけるなんて私にとってはこの上ない幸せにございます。
よろしかったらまたどうぞ。

Posted: 藤汰ゆき(極上) : 2007年05月04日 03:24

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